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    老後の生活費に関する調査の注意点(ゆとりある老後の生活費データの危険)

       
     
    多くの人の場合、老後の生活費の確保が資産形成の最終目標となりますが、現実には子育てにまつわる様々な支出や住宅に関する支出に目途を立ててからのスタートなので、老後の生活費を意識し始めるまでの道のりはかなり険しいです。
    だからこそ若いうちからの資産形成が大事になってきています。

    資産形成と言えば「投資」を思い浮かべる人もおられると思いますが、私は資産形成=投資だとは思っていません。
    あくまで資産形成の1つの手法として投資があるだけです。
    むしろ貯蓄だけで老後の生活費を貯められる方の方が多いですし、それでも立派な資産形成です。
    投資は特に老後の生活費という長期的な目標に対しては、資産形成の中でも相性がよさそうな手段といえると思っています。

    資産形成ができないとリタイア生活をおくることができません。
    われわれ40代は、いつ年金をもらえるかわかりませんし、いくら年金をもらえるかすら分かりません。
    たぶん年金が破たんすることはないとは思うので、年金を全く当てにしないプランは現実的ではない気がしますが、年金が貰える年齢が上がっていくだろうし、実質的には40代より若い世代だと現段階ではあてにしない方が安全側だしいいという考え方もあります。
    分からんことを悩んでも仕方がないので、50代後半に入ってからいくら年金をもらえるかを意識し始めて修正していくのもが現実的な気がします。

    我が家のマネープランでは、年金は現在やめても貰える金額で見積もっていて、年金特別便の数字をいれるようにしています。
    年金はこの先どうなるか分からないので置いておいて、われわれがまず最初に意識しないといけないのは、「老後の生活のシミュレーション」だと思います。
    「どのような生活を送るか」と「お金」の話です。
    これが老後だけでなく、今の生活もそうですし、子どもが大学生になった教育費のピーク時でも同じで、時間軸によって状況は変化し、想定できるイベントやアクシデントをある程度吸収できるように考えていく必要があります。

    こういう風に書くとなんか難しいな感じられると思いますが、やることはさほど難しくないんですね。
    つらいのは「お金が足りない」ということです。
    そういう現実に多かれ少なかれ「向き合わなければいけない辛さ」を伴うことが想像できて直視したくない、やりたくない人が多いのではないでしょうか。
    ただ正直に言えば、40歳代で家計相談をかけないといけないような状態では手遅れ気味ですし、この段階で老後の手前の教育費をターゲットにしていなければ危ういです。
    あと、あまりにも老後が遠いのでまだ考えなくていいと考える人もおられると思います。

    老後の生活を考えるには、それなりの段階があろうかと思いますので、その人のペースで考えていけばいいことですけど、考え始めるとなればいくつかの調査を参考にする人が多いです。





    <老後に必要な生活費>


    老後の生活費に関しては、いくつかの統計調査があります。

    【2014年時点】
    ■最低必要な老後の日常生活費は毎月22万円(年間264万円)……生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成25年度>より
    ■ゆとりある老後の生活費に毎月35.4万円(年間425万円)……生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成25年度>より

    ゆとりある老後の生活費2014

    【2010年時点】
    ■最低必要な老後の生活費は毎月28万円(年間336万円)……「老後の生活費に関する調査
    ■ゆとりある老後の生活費に毎月38.3万円(年間460万円)……「ゆとりある老後の生活費に関する調査
    老後の生活費はいくらくらい必要と考える?


    インフレを加味しないで言えば、「最低月22万円の生活費」をどう感じるかが1つのポイントではないでしょうか。
    ローコスト生活者の家計であれば、「月22万円もいらんやろ」となるはずです。
    もちろん賃貸住宅か持ち家か、また住宅ローンの有無で感覚が違うでしょうが、この月22万円をどう感じるかはひとそれぞれで、どう感じるのがいいのかに正解はないとおもいます。
    現在の生活費が月22万円くらいかかっている人は、そんなものかなと思うのかもしれません。
    それ以上かかっている人は、切り詰めれば最低ではそんなものかなと思うかもしれません。

    我が家は家計簿をつけていないので正確な数字は把握していませんが、家族4人の生活水準が月20万円あたりだと推測しています。(ちなみに娘2人は高校生と中学生です。)
    成長期の娘を抱えた4人でこれだけですから、夫婦2人の老後の生活費を考えると「月22万円はかなり贅沢」と感じます。(家賃もローンもありません)
    リタイア後は仕事をしていた時に出来なかったような事をやりたいので、現在の年240万円に楽しみ費として60万円足した、年300万円もあれば大方の希望はかなえるかなと想像の翼を広げています。

    これらの話はインフレを無視しています。
    現実にはインフレを意識することになりますが、将来のインフレについては分からないので、プランを適宜見直していくのが実践的かもしれません。
    ただインフレが大きく進むと破壊的になるのですが。




    <老後の統計データの注意点>


    基本的に、上記のような統計調査は参考程度と考えるべきです。
    というのはこの数字が独り歩きしているからで、統計データとは何かしらの魔力を秘めているのです。

    投資や資産運用、保険など金融商品の勧誘に、これらのデータが根拠として使われる場合が実に多いんです。
    特に、「ゆとりある老後の生活費に毎月38.3万円(年間460万円)」なんていうのは、私には現実とかけ離れすぎて意識することもない数字です。
    しかし「あなたはゆとりある老後を生活を送りたいですか?」と質問されると、普通はゆとりがある方がいいという人が多いわけです。
    それは「言葉遊び」です。
    そこで「老後の生活費は年間460万円いりますよ」と言われたら、そして「この金融商品がお勧めです」と「ゆとりある老後のために…」と言われたら…あなたはどしますか。
    現実にそういう風にこういったデータが使われているんです。

    「自分基準」がなければ、こうした勧誘に誘われ負けてしまう可能性があります。
    (相手から勧誘がある場合はほとんど販売者に利益があるからで、買った方がどうなろうと彼らには関係ありません。もちろんその投資が成功することもありますが、失敗してもあとの祭りで売った側は痛くもかゆくもなく、儲かったら儲かったで更に投資を進める材料にされます。)

    老後のことは遠い未来のことなので、分からないことが多く、不確定なことも多く、だれしも不安があります。
    こうした不安が、こういった勧誘のポイントなんだと思います。
    もし、投資を考えるならば相手から言い寄ってきた金融商品に投資するのではなく、自分で考えた投資をすべきです。
    少なくとも投資をするのは自分の頭で考えてやる覚悟と、投資額の半分を失うくらいの授業料の負担を覚悟が必要で、そうでなければ失敗しても次に反省を生かすことができません。
    失敗の教訓が、勧誘されて買った金融商品は売り手が確実に儲っただけ…というのではあまりに残念すぎます。

    「投資はなけなしの退職金でするものではありません。」
    数千万円をなけなしというのは違和感を感じられる方も多いと思いますが、もちろん大金ではあるんですが、その時点で少なくともそれと同等の貯金を有していなければ老後は安泰ではないわけですので、やはり「なけなし」だと思います。
    もっとも次に反省を生かすためには、自分で投資したとしても取れるリスクを大きく超えていないことが条件です。




    <老後の公的年金>


    年金定期便が送られてくるようになって、もらえそうな公的年金を見込むのが随分と楽になりました。
    この年金定期便は、老後の生活を意識するきっかけとしては大きいと思います。
    年に1回は、これを肴に老後のことを考えるなんて素敵じゃないですか。

    目先のことだけでなく、先々のことも少しづつでも意識していくことが大事です。
    なぜなら、お金を準備する時間がどんどん失われている、つまり残された時間は減っていくからです。

    年金定期便をどう取り扱うか。
    現実には、将来どれだけ公的年金がもらえるかの想定は難しい…ですね。
    そこに書かれた数字をどこまであてにすればいいのか…私もわかりません。

    とりあえず、早期リタイアについては考えていないので、年金定期便に書かれた金額をシミュレーションでは使用しています。
    給料が増えるかどうか、将来の受給水準がどのくらい下げられるのか。
    様子を見ていくしかないですね。





    <退職金と個人年金>


    大卒者の退職金が年々下がってきていて、とある統計では2000万円くらいとなっています。
    将来、退職金があるのかどうかすらわかりませんね…無くなったとしても別の形になるとは思いますが。
    とりあえず、現在の給与水準で計算しておくくらいしかないのかなと思います。

    個人年金については、これから加入する場合の予定利率はあまりに低いので、別の方法の方がよさそうですね。
    なんせ長期的な固定金利商品という形であり、保険会社がもっていく経費等もかなりのものですから。
    私の場合は、予定利率が良いいわゆるお宝保険に加入していたので継続していきます。

    (参考になるエントリー)保険と向き合ってみよう



    老後の生活費を考える上で、かなりの頻度で出てくる2つの統計データを取り上げてみました。
    これらをどう使うのかを考えることが大事ですし、これらの数字が多いと感じるのは少ないと感じるのかで家計のディフェンス力がわかります。
    特に「ゆとりある老後の生活費」は、個人の希望がつまったデータであり、あなたの老後の夢とは異なる、他人の夢の平均をという空想の数字です。
    それが現実に即しているといえるのかどうかは、自分自身で一考すべきです。

    こういったことを考えていくと、「私にとってのゆとりって何?老後の生活は?」ということに行きつくのではないでしょうか。
    だれしもゆとりある老後を過ごしたいと願っています。
    でも、そのゆとりは人それぞれなんですね。
    私は自分にとっての「ゆとり」を探す旅路の前半という感じです。





    このエントリーは、2010年12月8日にUPしたものを修正しています。


    「人生にかかるお金」の見出しへのリンク⇒エントリー一覧(ホームページ)へ

    (関連するエントリー)老後の生活費に関する調査
     
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    テーマ : 人生設計を考えよう
    ジャンル : ライフ

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    非公開コメント

    同感です

    うさみみさんの、老後のゆとりある生活のための生活費の統計調査は、私も前から、こんなにいらないでしょ、と思っていたので、全く同感です。これって、投資させるための、詐欺みたいなものですよね。世の中には、疑わしい「常識」がたくさんあるので、自分の価値判断が大事ですね。うさみみさんの記事は、共感するところが多くて、いつも読んでいます。

    No title

    うさみみさん
    うさみみさんの”ゆとり”探し、楽しみです。
    今年も色々ありがとうございました
    来年もよろしくお願いします

    ぽちさんへ

    コメントありがとうございます(^^♪

    >世の中には、疑わしい「常識」がたくさんあるので、自分の価値判断が大事ですね。

    おっしゃるように、ゆとりある生活という響きのいい言葉を利用されているケースを感じることがありますよね。
    それだけの生活をしている人にとってはその生活費がいるかもしれませんが、もっとシンプルに暮らしている人は自分で考えられる人なので、惑わされないような気がします。

    ririkaさんへ

     
    ゆとりについてを考えているとホント楽しいですね。
    ポジティブになれますし。
    今後ともよろしくおねがいします。

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