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しがみつかない生き方(香山リカ)

  
  
「しがみつかない生き方 ふつうの幸せを手に入れる10のルール 著者:香山リカ」を読みました。
<勝間和代を目指さない>という帯で話題になった本です。
驚いた事に勝間さんに了解を取った上での出版ではなかったようです。

「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルールについては以下の通り
■恋愛にすべてを捧げない
■自慢・自己PRをしない
■すぐに白黒つけない
■老・病・死で落ち込まない
■すぐに水に流さない
■仕事に夢をもとめない
■子どもにしがみつかない
■お金にしがみつかない
■生まれた意味を問わない
■<勝間和代>を目指さない

1990年代には、診察室に、客観的な幸福と主観的な幸福とにかなりズレがある人が多くやってきた。つまり、客観的には十分、「普通に幸せ」であってもそれに満足できず、「本来ならもっと幸せでもいいはず」と思って苦しむ人たちだ。この人たちの場合は、「私は特別な人間であるはず」という自己愛的な思いが、目の前の「ふつうの幸せ」を見えなくしてしまっている。 


さまよいつづけ、やりたいことを探しても、なかなか見つからないということです。
ほどほどで満足できないから、上を上をと目指すのだけど、上には上がいるのでなかなか自分の存在価値を見いだせないというジレンマがあるのでしょうか。

「私は特別な人間であるはず」という想いは、こどもの頃のには確かにありました。
「自分はすごい必殺技を使えるようになる」なんて考えていたことすらあります。
それは向上心ではなくて、自分が特別であるということに近く、そう思いたい気持ちはだれにもあると思います。
でも、そうではないことにいつかは気付く人がほとんどです。
だれもがうらやむ特別な存在になれるのは、ほんの一握りなんですよね。

こんなところで満足したくないという気持ちはだれにでもあったと思います。
不幸なことあるとすれば、そこから抜けられないでさまよい続けるということなのかもしれませんね。
ささやかな幸せを見落としていることに気づかない不幸せというのはあると思います。
若いころは夢見るものです。
年をとるに従って、自分が特別ではないという寂しさと引き換えに、ささやかな幸せが大切なんだなという感じになってきますね。


「愛より早く」どころか「考えるより速く」、優劣や勝ち負け、危険とそうでないものを決めることでしか、自分を安心させることができない、というゲームを繰り返すと、その先には何が起きるのか。おそらくある人は、ゲームに疲弊し、その時点で倒れてうつ病などの心の病に陥るだろう。また、ついに自分が「負け」というシールを貼られる日がやって来て、生きる希望を根こそぎ奪われてしまうこともあると思う。 


ゼロか百かという考え方に押しつぶされる人が増えているのかもしれないです。
ゼロか百かというのは、考え方としてはすごくシンプルで簡単だと思います。
論理的な思考が行きつきやすいのは、ゼロか百かが多いなと思う事が多いです。

その中間というのは、本当は居心地がいいはずなんだけど、それでいいのかという説明がつきにくいですよね。
私のような、いいかげんな性格であっても論理的思考を尽くすのは魅力的です。
「効率」とか「合理的」という言葉は、昔は好きでしたが、今はあまり好きではありません。
嫌いというよりも、何かが微妙に違うという違和感を感じるんです。
このように好みは時と共に変化するようです。

「あいまいさ」を認める事ができるときっと楽になるのでしょう。
ショックには違いなくても、挫折で立ち直れないほど、心に深い傷を追う事はなくなるかもしれません。
あいまいは中途半端を連想してしまいますけど、「あいまい」という状況で自分を見出せるのであれば、これは生きる技術といえるかもしれません。

最近好きな言葉は、「ほどほど」です。
目標の下方修正を平気でできるようになりつつあります。
「何となくこんなもんでいいんじゃない?」という感じが好きになっています。
「そんな中途半端だと、あんたは何に満足しているの?」といわれそうですが、絶対的な満足なんて本当に手に入るのでしょうか。


「不妊治療を受けているときには、私が本当にやりたいのは母親になること、と信じて疑わなかったのですが、いざ子どもが生まれてみると、仕事で充実している人が羨ましくて…」、「この業界でナンバーワンになることがずっと夢だったんです。でも、それが実現できても思ったほどの達成感はありませんでした。もっとランクが下でも、子どもを持って楽しそうに働いている後輩を見たりしていると、やっぱりそっちのほうが人として真っ当だったかも、と思って虚しくなりました。」
「これだ」と確信していたはずでも、人間の気持など体調が悪かったり、ふと他人をみたりするだけで、簡単に変わってしまう。 


だれでも自分が歩まなかった道の方がよかったのかと思うことはあるはずです。
決して交わる事のない「パラレルワールド」
最善の道を探そうとすればするほど、そういう気持ちになりやすいと思います。

効率とか合理的に対して、違和感を持つ事があると書きましたけど、その行きつく先に何があるのかを考えると、そこに違和感の本質があるのかなと思っています。
追求して1点しか見つめていなかった人ほど、失うものに途中で気付きにくいのかもしれません。
もちろん、そこまで追求しない人でも、ほとんどの人が歩まなかった道に対する思いを噴き出すことがあります。
それが人間と言うものでしょう。


「パンのために働いている」で十分


「パンのために働いている」というのは、香山さんの思いの中でかなり深いものがあるようです。
私が就職したての時の研修係の人に、「何のために仕事をするのか?」と聞かれて、「生活するため」と答えた記憶があります。
きっと「社会のため」とか答えてほしかったのでしょう。
パンのため以外のことを言っていた同期もいましたが、生活のためと答えた人の方がわずかに多かったと記憶しています。
研修係の人から見ると、実に味気ない答えでしょうね。

就職活動で「やりたい事がみつからない」ということで就職浪人する人もおられるようです。
不況の影響もあるでしょうが、「自分がやりたいことを見つけて就職活動をしないと乗り遅れる」なんてマニュアルがあるのかもしれませんね。
私は、そこまでのこだわりはなかったんでそこそこやりたい職種と待遇で選びました。

「仕事が嫌いなのか?」と聞かれそうですが、好きですよ。
とことん極めたいという気持ちはないけど、同じ人生ならいろんな経験したいなと思うので、チャレンジ精神は持ち合わせているつもりです。
のめり込みすぎるときもありましたけど、一人で突っ走っても意味はないと感じてからは、「ほどほど」でもいいかなと思えるようになりました。


お金の教育だと思って後ずさりしている大人はいませんか?子どもはお金に興味を持ち、その秘めた魔力を知りたがっているのです。大人がダンマリを決め込んでいると間違った情報が入り、人生を台無しにしてしまうかもしれません。もっとオープンにお金のことをこどもと話してみませんか?なぜなら、子どもはお金が好きやねん! 


私の親はお金の話をしてくれたことはありませんでした。
親の世代はお金の話ははしたないという雰囲気があったのでしょう。
「いつお金と向き合うのか」ということが大きいとおもっています。
人生を台無しにしてしまった人にいつまでも向き合ってない人が多いなと思うことはあります。

確かに、小さい子どもはお金が好きでした。
娘は、畑で働いてる最中に、「いま給料はいくらか?」とよく聞いてきました。
まあ、微妙な駆け引きを楽しんでいました。
我が家では資産状況も子どもの前で隠さず話しています。
聞いているかどうかは知りませんけど、お金の話についてはかなりオープンな家庭だと思います。


こうやって見てくると、どう考えても「なぜ生まれたか」などという問いにはあまり深く立ち入らない方が身のためだ。ということになりそうだ。もちろん、だからといって、人生には生きる価値もないということにはならない。しかし、生まれた意味にこだわりすぎると、逆に、人生の空しさを強く感じさせることにもなりかねない。 


あまり大上段にかまえず、一喜一憂しながら、ぼんやり歩いていくくらいがいいのかもしれませんね。


「あなたもこのメソッドで成功の道へ」というメッセージが世の中にあふれているが、その道に乗るためには、「失敗することなんてない、失敗するのは本人のせい」という強烈な否認のメカニズムを心の中で起動させてはならない。否認は、それだけでは病的なものではないが、いつまでも続いたり強さが増したりすると、その人を神経症などの病的な状況に追い込む原因になる。」


「自己責任」という言葉が、人々の心に重くのしかかっている時代です。
自己責任論は、「自分の行った事が自分に跳ね返って来る。逆に言えば、何もしなければ何も得られない。」という程度がよいと思っています。

「経済的に成功しないのは努力が足りないからだ」なんてところまでいってしまうと、どこまでもはてしない自己責任論になってしまう気がします。
それに耐えれる人はそれで全然問題ないと思いますが、そうではない人は、つぶれるかもしれません。

因果応報です。「何もしない人は何も得られない」という自己責任論くらいでいいと思います。
「そこそこ頑張って、そこそこ得られる」で十分と思えるのが良さそうです。
もっとも、その「そこそこ」が難しいのですけど。


  

 



このエントリーは、2010年8月26日にUPしたものを修正しています。
 
 
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