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1000万円の感じ方の変化(1000万円貯金と投資それから)

  
同じ1000万円といっても、貯金と支出と投資では全然感じ方が違います。
「1000万円をどう感じるか?」そして「1000万円の感じ方の変化」を考えてみます。



<金融資産としての1000万円>


資産形成を目指す人にとって「1000万円」が途方もないと感じる人は少ないようです。
既に金融資産1000万円超えの人と、1000万円を目指している人との感じ方の差はもちろんありますけど、通過点という認識はかわりないのかなと感じました。
毎年発表される総務省統計局の家計調査を見ても、金融資産1000万円というのはさほど驚くべき数字ではなさそうです。

(関連するエントリー)気になる他人の財布-家計平均貯蓄額(20代、30代、40代、50代、60代以上)


「二人以上の世帯の平均貯蓄残高」を見ると、貯蓄残高平均で約1700万円、貯蓄残高中位数で約1000万円となっています。
一方で、「二人以上の世帯(うち勤労世帯)の平均貯蓄残高」を見ると、貯蓄残高平均で約1300万円、貯蓄残高中位数で約700万円と勤労世帯に限ると減ってしまいます。

勤労世帯の中位数が約700万円ということは、貯蓄残高1000万円というのはややハードルが高いとも言えそうです。
この統計データから、資産形成に熱心な人にとっては1000万円は通過点と考えているのもうなずける半面、半数以上の人にとって1000万円は遠い存在とも言えそうです。

もちろん金融資産1000万円への道のりは平坦ではありません。
一般的なのは貯蓄ということですが、限られた収入から貯蓄していくことは家庭環境によっては大変なことです。
一方で、貯まる習慣がついて貯蓄のペースがつかめたら1000万は難しい額ではありません。
実際、統計データを見てもそれなりの人が1000万円以上の金融資産を保有しているのですから。

「金融資産1000万円」に対する感じ方は、人それぞれであり、年齢や資産形成の段階によって変わってくるのでしょう。
1000万円を途方もないと感じない人、1000万円はそれほど大きな金額と感じない人は、1000万円という塊を複数保有していたり、将来的に複数保有するであろう人ということであり、1000万円は遠いと感じている人と比べると資産形成も進んでいくのだろうと思います。
そう考えていくと、「1000万円の感じ方」で、「お金の器」がはかれるのかもしれません。

子どもの頃には、1000万円なんて全く想像できないお金でした。
1万円はお年玉などでもらえる金額で、それを1000枚集めるだけの事という風には考えられなかったわけです。
途方もない金額というか、そもそも考える事すらなかった金額だったのではないでしょうか。

大学生や大人になってからでも、なかなか直ぐに100万貯めるとはならないものです。
自分でお金を稼ぎだしてからの様々な誘惑もありますし、貯金していくにしても継続しないと難しいですし。
100万円を貯めてからそれを崩さずに300万円、500万円と貯めていける人と、車などのそこそこ大きな支出に消えてしまう人と別れてきますよね。

「300万貯めることが出来れば1000万までは意外と簡単」とよく言われているという話をコメントで書いてくれた方がおられますが分かる気がします。
そういう人は既に、100万円単位の資産形成を確立できていて、その100万円を10個集めればいいわけですから。
そういう風に考えられるかどうかが1000万円の壁として立ちはだかります。




<支出としての1000万円>


「1000万円をどう感じるか?」について考えていくときに、資産形成面だけではなく支出面でも考えていく必要があります。
1000万円を考える時、資産形成面と支出面で分けてみる方がいいと思います。
この両者はもちろん関連しています。
将来の支出に必要だからこそ、それだけの資産形成が必要という関係だからですもんね。

1つ1つの支出にとっては1000万円は大きなお金である一方で、人生において1000万円単位で出ていく支出もいくつかあります。
それは一括で出ていくものもあり、4年間など中期的なスパンでの支出であったり、10年以上にわたる継続的支出であったりします。

「1000万円単位で必要な支出ってどんなものがありますか?」という問いかけに対していただいたコメントを参考にピックアップしてみます。

■持ち家購入、リフォーム費用
□家賃(継続費用)
■大学の学費、下宿費用(4年間)
□高級車、車(継続費用)


大きくは、「住宅関連支出」「高校・大学の学費や下宿代」といったところです。
また、車に関しては1000万円クラスの高級車もありますし、普通の車でも何台か買いかえれば維持費も含めるとかなりの金額になります。

「老後の生活費」とか「早期リタイア時の生活費」も長期的な支出としては、1000万円単位といえます。

1000万円は、「一生のうちに使う大きなお金(ライフイベントへの支出)に対する、基準になる単位」というコメントをいただきましたが、まさにそうだと思います。

・結婚費用だと×0.3~0.5くらい
・保険代(長期間)だと×0.3~0.5
・子育て費用(22年間)だとx2
・子どもの学費だとx1
・マイホームだとx3~x5

というように、1000万円単位で何単位かという風にサックリ捉えられようになると、1000万円がそれほど大きな金額だと感じなくなる人もでてくると思います。
1000万円は大きな金額ではあるけれど、無理な支出ではないとか、時間をかければ十分対応できるとか、がんばればなんとなかるという感じでこれらの大きなライフイベントが捉えられるようになれば、かなりの「お金の器」になっているといくと思います。




<人生を動かす>


「人生を動かす」なんて大それた表現をしてしまいましたが、他にイメージが伝わる言葉が見つからないので申し訳ありません。
人によって異なるにせよ、1000万円単位のライフイベントはいくつかあります。
大変だと思い込んでいたそれらのライフイベントが、そうでもないと思える瞬間、それが「人生を動かせる」と実感できる瞬間だと感じることがありました。
それは人によって違うと思いますが、我が家の場合は、住宅購入にまつわることでした。

昔は「夢のマイホーム」と言われ、学生時代にバブル時代を過ごす中で「億ション」という言葉もあるほど、マイホームが高根の花だったからそう言われていたのかもしれません。
自分がマイホームを持つなんて結婚した時は考えもしなかったのですが、ある時、衝動買いしてしまいました。

貯金が1500万円超えたあたりから、「ひょっとして家買えるんじゃないの?」と思った瞬間、欲望が止まらなくなってしまいました。
まさに欲望に火が付いた瞬間です。
世間一般では、住宅ローンの頭金は物件の2割・3割あたりが標準と言われていましたから、貯金が1500万円あると頭金としては十分です。
家の建築期間があったので、頭金は2000万円超まで貯めれました。
住宅ローンも繰り上げ返済を繰り返し、5年強と早目に完済できたこともあって、昔は無理だと思っていた事が割と簡単にクリアできたような感覚を覚えたのを記憶しています。
人生に対して楽天的になれたということです。

それは他のライフイベントについても攻略が可能だということでもありますから、「人生ってこうして動かしていけるんだ」ということを悟ったのです。
正直に言えば、1000万円を貯めた時のことは印象に残っていません。
我が家にとっては、頭金を貯めて最初の繰り上げ返済をして、○年後に完済できる確信を持てた瞬間の衝撃が大きかったからだと思います。

資産形成を始めた人は、「1000万円貯めたら違う世界が見られる」ことを信じて取り組んでいる人が多いと思います。
きっと見られるのではないかなとは思いますが、「1000万円ためた」という認識しかなければ、それはただの通過点であり、新たなイノベーションを感じないかもしれません。
我が家の場合は、1000万円単位で×1.5~×2の間に新たなイノベーション、つまり数々のライフイベントは攻略できるものだと確信できる世界への扉が開きました。
それは、金額うんぬんではなかったと思います。
非常に感覚的な話で申し訳ないです。

1000万円単位のライフイベントはいくつかあり、1000万円を貯めた段階では、ひょっとしてなんとかなるのではと感じ始める事ができて、1000万円を複数貯める段階でそれが確信に変わっていく。
その段階では確実に別の世界を見る事が出来ると思います。





<投資における1000万円>


「1000万円をどう感じるか?」について、資産形成面と支出面の他に投資面があると考えています。
投資における1000万円を考えようと思っても、投資額が1000万円を超えたことについては、特に何かを感じたという記憶は残っていません。
現金や定期預金でもっているか、投資に回したかの違いでしかないので、結局どういう形で資産を保有するかの違いでしかないからだと思います。

資産の半分を投資に回すと考えている人なら、金融資産2000万円到達が投資額1000万円、資産の3分の1を投資に回すと考えている人なら金融資産は3000万円となっていると考えられます。
1000万円投資したことより、金融資産が数千万円になったことにある程度の達成感を感じているはずです。

では、投資額が増えていくことで変わっていくものは何でしょうか。
投資をしていて「もっと投資量を増やせたらな」と思い続けて投資を続けてきた人が多いと思います。
投資額が大きければ、同じ期待リターン率でも、期待できるリターン額は大きくなりますから。
ただし、リスクも額でみると大きな額になりえます。

投資は上がる時はゆっくりですが、下がる時は一気にくる事があります。
投資額が増えれば増えるほど、変動額が大きくなるので、上がる時は良くても下がる時は心が痛いものです。
もっとも下がるときは投資のチャンスでもあるのですが。
こういう大きく下げる局面のことをあらかじめ想定して投資をしているわけですが、額が大きくなると当初想定していた以上に心に響く事があります。

こうした投資のリスク管理は、「額」ではなく、「率」で考えるべきだという意見があります。
理想を言えばそうかもしれません。
リスク管理は投資額によって左右されるべきではありませんし、あらかじめ想定される下落幅の範囲内であるならば、特に問題はないはずですから。

これは慣れの問題といえるのですが、年収を超えるような変動を初めて経験する時に、はたして冷静でいられるのかという問題があります。
仮に率でみると決めていても、率を出すためには額をださなければいけません。
そこでいやでも額を目にするはずです。
(取引している証券会社が1つで、しかも1つの投資商品しか持っていない方は、損益率だけを見る事ができますが、国際分散投資をしている人は複数の投資先を持っている人が一般的です。)

率で捉える前に額が目に入った時に、平静でいられるかどうかは、その人の感覚によると思います。
私の場合、投資額の50%弱の下落率までは想定していたつもりでしたが、リーマンショックの際にとても冷静だったとは言えない状態になりました。
あの時は、ピークから谷へと下落していく中で、年収をはるかに超えるような額の変動がありました。
情けない事に、頻繁にしょっちゅう為替レートを見る日もありました。

今想えば含み損に耐えきれずに大底でパニック売りをすることも全く考えなかったし、結果的に想定内だったわけですので、自分の心の弱さを知る良い経験だったと思います。
一度経験してしまえば、同じような下落があっても以前ほど気にならないだろうなと思います。

リスク管理を額ですべきだと主張するつもりはありません。
投資額が増えて、自分の年収など比べて大きな変動となってくる際に、投資額が小さかった時と同じ変動率でも、感じるインパクトが異なるということが言いたいだけです。
初めての恐怖は特別なものだと考えれば、これは慣れの問題でもあるので、一皮剥ければ額は気にしなくなり率でみれるようになるのでしょうね。

自分にとって「率」と「額」のどちらか心に響くのかということが大切だと思います。
自分の本当のリスク許容度というのは、実際に大規模な下落を体験してはじめて浮き彫りになるということです。
だから、率でみるべきだというのが仮に合理的だと本に書かれていても、自分の金銭感覚にあっていないものならば、額でみてもいいと思います。
経験を積むことで「率」で見れるようになるのではないかと思うのです。
私はいまだに「率」より「額」の方がわかりやすいので、投資初心者の範疇からでられていないようです。


さて、前置きが長くなりましたが、「投資における1000万円の変動」に対してどう感じるかは、金銭感覚を図る1つの尺度になるかもしれないなと思います。

投資の金銭感覚については、支出の金銭感覚とは別物のようです。
私の場合、投資額が大きくなって得られる利益が増えても、それにより支出レベルはかわりません。
もちろん、変わる人もいるでしょうが。
逆に、支出に対して吟味している人でも、かなり浅い検討で大きな額の投資したりすることもあります。
私もそういう面を持っています。

今では、投資で年収くらいの変動があってもただの数字が動いたという感じで捉えることができるようになっています。
周りではもっぱら「パチンコや競馬で5万円儲かったからみんなに奢った」みたいな話ばかりを聞きますが、投資で数百万円儲かろうとただの評価の変動にすぎないと感じるようになっています。





<投資とパートナー>


投資を始めた時に、もっと投資したいけどパートナーが理解してくれないという話をよく聞きます。
「家族の将来の為に投資を勉強して実践しようとしているのに、なぜ、合理的に考えられないのか」という思いはなかなか理解してもらえないものです。
投資額を増やすにはパートナーの理解も必要と同時に、損失が大きくなった時にも冷静にいられないとパートナーに心配をかける事になります。

損失額を責められる場合もあると思いますが、ちょっと様子がおかしくなっていることに対してやりすぎと感じさせたことの方が大きいと思います。
あれ、あんなに利益が出て毎日うれしそうだったのに、近頃様子がおかしいな…。
投資に関心がないパートナーでも、パートナーの様子の変化は見逃せません。

投資額が大きくなればなるほど、自分だけでなく、パートナーの金銭感覚への影響も大きくなってきます。
なかなか投資が理解してくれないパートナーの厳しい一言が、あなたのリスク過大を押えてくれてることもあります。
資産変動に対する心への影響は、結構大きいものです。
資産形成をあせりすぎず真摯に投資していくことが大切なんじゃないかなと思います。






このエントリーは、2011年6月26日にUPしたものを修正しています。

「資産形成の極意」の見出しへのリンク⇒エントリー一覧(ホームページ)へ
 
 
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